第19号 不透明な課税問題

    NPO法人の税務については依然、不透明の部分が多く、課税されるかされないかがはっきりしないことがよくある。所轄庁の認証の際に「特定非営利活動」と認められたとしても、その事業が免税と認められたわけではないことはかなり知られてきたが、自分たちの事業が課税されるかされないか、自信を持って答えられる人は少ない。税理士であっても同じこと。私への相談メールには、税理士先生からもよく問合せがあるのだ。
最終的には管轄の税務署の判断になるかもしれないが、税務署職員がNPOのことをよく知っているとは限らない。ある程度NPO側も税務に対する知識を身につけ武装しておくべきである。
法人税法で言うところの33の収益事業に該当すれば「課税」で該当しなければ「非課税」というのではさびしい限りである。そうなると、パソコン指導を行う株式会社の横で同じ事業を同じ価格、同じ内容で行っているNPO法人は、課税の対象にならないことになる。民業圧迫といわれてもしょうがないのだ。要はどのような公益活動であるのか、そしてその収益構造はどうなっているのか、そのあたりが会社組織では到底考えられない内容であれば、積極的に非課税を訴えてもよいはずだ。もちろん、介護保険事業や支援費制度に関する事業などは、課税対象と決まっているから非課税を訴えてもしょうがない話ではある。
中には、NPOは一切税金を納めなくてもよい組織であると勘違いしている人がいるが、世のため人のためのNPO法人であっても、必ず納めなくてはいけない税金もある。それが消費税だ。事業収入が1000万円に至らない小規模のNPO法人は別として、多くの団体が課税対象になるであろう。あまり似つかわしくはないが、これからはNPO法人も税金支払いのための「貯金」をしなければならないかもしれない。なんともおかしな話ではあるが・・・・。




特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成16年4月)

http://www.iva.jp