第28号 透明性−益々注目されるキーワード

昨今の我が国のNPO・NGOの状況に目を向けると、経済面では長らく停滞が続いており、不景気がゆえに活動の停滞、寄付金や会員の減少等々、先行きは依然として不透明な状況にあります。このような状況にありながら、一方では企業の社会貢献に対する注目、行政の指定管理者制度への移行、寄付金税制の改正等、NPOに対する期待は急速に進展しています。
このような時代背景において、NPOが社会の要請に応えるためのキーワードは「透明性」です。提供するサービスのあり方、社会との関わり方、内部のマネジメント等、あらゆる活動において「透明性」を高める、あるいは確保することが、非常に重要になってきます。NPO活動における「透明性」とは、可視化して目に見えるようにし、それを開示することです。
ここ数年でNPO業界を取り巻く環境は激変しました。期待から始まった特定非営利活動促進法の成立。その後7年間で2万法人が誕生する一方、NPOの犯罪や悪用が姿を現し、督促、過料、取り消しに至る法人まで現れる始末。さらに法人化したものの活動をしない,またはできない団体が全法人のおよそ半数を占めるという異常事態。これでは公益法人改革で今回除外されたNPO法人が,いい加減だから仲間に入れなかったと言われてもしょうがありません。今後NPOは「透明性」をキーワードに、市民社会を後ろで支える必要不可欠な存在にならなければなりません。
今年も私ども国際ボランティア事業団は、NPOやNGOが幅広く活躍し、新しい市民社会に貢献し続けることをテーマに、これまで培った実績と経験を活かし、活動の効率化のお手伝いをすることにサービスの軸足をおき、積極的に事業展開を図ってまいります。具体的には、タイムリーで実用的なセミナーの開催。幅広い活動を支援する「マイ基金」の運用。来年の公益法人改革への的確な対応。そして、NPO・NGOに関する情報データーベースの更なる蓄積等です。

特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成17年1月)