福島達也理事長コラム
第100号 梯子はずしてさあ大変
 明けましておめでとうございます。NPO法ができて12回目のお正月を迎えた。ということは、当センターも13年目に突入だ。よく頑張ったものだと自負している。

  まあ、その間いろいろなことがあったが、意外なのはNPO法が途中1回しか改正されなかったことだ。変わる変わると言われてなかなか変わらないが、今年あたりは思い切って法人名も「特定非営利活動法人」から「市民活動法人」に変更するかもしれない。そのくらいの抜本的な改革が必要だろう。税制的には、個人の寄付控除や税額控除だ。税額控除が始まっても、すべてのNPO法人の話ではないことが気になる。結局、政府の意気込みとは裏腹に認定NPO法人と同じくらいしか認められないのではないかととても心配だ。

  さて、変わらなくていいものが変わってしまったのが新公益法人制度の話。今年の元旦の事だった。当初ガイドラインの中で、各団体の支部について、支部と呼ぶことは禁止された。もし呼びたければ、本部と会計も事業もすべて一体化することが求められていたのだ。

 これはなかなか大変なことで、ほとんどの団体は支部をあきらめて無理やり「協力団体」などとして別団体扱いにさせられてしまったのだ。そうでないと、新しい公益法人に移行することができなかった。うちのお客さんでもそういう団体が続出して、みな大変な思いをして変更したのだ。

 それがびっくりすることに、今年の元旦の内閣府の発表で、ちゃぶ台がひっくり返ってしまった。結論から言うと、支部と名乗って会計も事業も一本化しなくてもよいことになったのだ。恐らくどこかの圧力団体から相当のプッシュを受けたのだろう。あっさり変わってしまってびっくりした。

 しかし、たった一つ条件を付けているのだが、その条件があまりにもおかしい。それは、支部と名乗るときに「公益社団」とか「一般財団」とか付けてから支部を名乗ってはいけないというのだ。つまり、ABC協会の東北支部は「公益社団法人ABC協会東北支部」だと違反となり、「ABC協会東北支部」だとOKなのだそうだ。

 こんな子供だましの説明で、今まで泣く泣く変更して移行した団体は納得できるだろうか。これはきっと裁判沙汰になるだろう。

 今年は春から嵐の予感だ・・・。



特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成23年1月)

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