福島達也理事長コラム
第52号 法改正の議論、本格化
 謹賀新年。いよいよ平成19年の幕明けである。本年は、NPOにとっても議論の年となりそうだ。それは、法改正の動きが本格化するからである。「もっと厳しく」という意見と、「もっと自由に」という意見があるが、一体どうなるのであろうか心配である。

 そんな新年の酔いもさめぬ中、NPOの悪いニュースが本日だけで2つ流れてきた。一つは、国会議員のNPO認証申請にまつわる口利き問題。もう一つは、補助金の不正受給。NPOの活躍を伝えるニュースもたくさんあるが、悪いニュースは脳裏に焼きつき、誰もが覚えてしまうのが悲しい。どうして人間は悪いことをするのか、誰を信用してよいのか、本当にわからない世の中である。

 先日、ある障害者の友人から、携帯料金の請求が莫大だが、どうしてなのか調べて欲しいと言われ、いろいろ調べてみると、月額315円と書いてある音楽サイトの閲覧が、使用する度に何百円もかかることが判明した。すぐに解約しようとして、彼の携帯電話で探したが、解約するためには、相当こみいった入念な操作が必要なのだ。加入させるためには、小学生でも簡単にできる操作なのに、解約となるとわざと手こずらせるやり方に憤りのない怒りがこみ上げてきた。

 携帯だけではない。インターネットでも先日、あのヤフーのビジネスサイトで商品詐欺が発覚した。オークションではなく、普通のお店の名前で詐欺をしていたのだ。ドコモもヤフーも信用できる大企業であるが、その信用を悪用しようとする企業がいくらでもいる。その監督責任はどうなっているのか。大企業でも簡単にだまされるほど、悪徳商売が花盛りである昨今、自分で身を守るしか方法はないのであろうか。

 しかし、障害者や高齢者へのIT普及も急増している今、自業自得などと簡単に済ましてはいけない。大企業も中小企業もそしてNPOも、人をだまして商売すると必ずそのしっぺ返しが来る世の中になって欲しい。そうでないと弱者ばかりが損をする。本当にいやな時代の到来だ。

 こんな時代に、NPOは監督なしに誰でも自由に活動でき、すべて自己責任・・・などとしてもよいのか。新たな悲劇を招かないためにも、ぜひ考えて欲しい。


特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成19年1月)

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