福島達也理事長コラム
第58号 NPOの事務所移転、捨てるモノ、残すモノ
 決算報告が一段落した団体も多いであろう、7月。当団体も8年目の活動に入ると同時に、事務所を近隣のビルに移転し、新たな気持ちでNPO協働の新展開を図ろうとしている。

 それにしても、久しぶりの事務所の移転は大変であった。70m程度しか移転していないにもかかわらず、荷物の多いこと多いこと。併設のNPO法人設立運営センターやNPO事務センターの荷物が大半だが、すでに使い道のない家具や文房具など、荷物の半分くらいがゴミか必要物か判断できないほどであった。

 法人の書類などは法律で保管義務が決められているが、任意団体の場合はどういう基準で書類などを保管しているのだろうか。どんなにデジタル時代・ペーパーレス時代といっても、紙で保管しなければならないものがあると主張するのは、もう時代遅れなのであろうか・・・。

 NPO団体の事務所は比較的小さなところが多いが、それでもなぜか2、3年でほとんどの団体は移転を経験することになる。大きくなるか、小さくなるか、便利になるか、不便になるか、それぞれ事情は違うのだが・・・。

 どの団体も経験しているであろうが、思い切って書類や書籍などを処分しないでいると、保管物はどんどん増え、それに伴って保管スペースが必要となり、家賃もだんだん負担が大きくなってくる。だから思い切って捨てることが一番大事なのだが、「もったいない」を尊重するNPOとしては、できれば誰かに分けてあげたり、リサイクルしたり、リユースしたり、そうしたい気持ちが、処分の手を阻んでしまうことになる。本当にNPOの引越しは難しい・・・。

 これから事務所を開くNPO団体は、将来のこともよく考えて事務所を開設して欲しい。不要なものが出ず、次の移転が楽な方法を最初から考えて・・・誰かいい知恵があったら教えて欲しい。

特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成19年7月)

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