福島達也理事長コラム
第86号 公益法人希望団体が減少?
 公益法人協会のアンケート調査によると、従来の公益法人のうち新制度の新公益法人を希望している団体は約5割と、昨年の7割から大幅に減少しているらしい。

 従来の公益法人は平成25年の11月末までに公益法人か一般法人に移行しなくてはいけないのだが、だんだん公益から一般に移っているというのだ。

 実際、当団体併設の公益総研に相談に来る法人の動向も同じように公益希望の方が減少していると思う。

 私は当初から書籍の中でも5割が公益法人で5割が一般法人という大胆な予想をしていて、多くの有識者の失笑を買っていたが、それが現実、いやそれ以上に公益法人が減りそうな勢いである。

 今さら、3割などと予想を変えるつもりはないが、どんどんあきらめていくことが心配だ。

 理由は簡単である。今までと同じ収益事業課税の非営利型の一般法人なるものが誕生したことだ。公益法人でなくても、原則非課税というのはあまりにも不自然だ。当時の自民党が選挙対策でそうしてしまったのだが、民主党はそれを変えないつもりなのだろうか?

 おそらく、そのうち税収不足でなりふり構わぬ政策を取らざるを得ず、一般法人の原則非課税は撤廃することになるだろうが、そうなると、そこから公益法人がまた増えるかもしれない。制度そのものも改正を余儀なくされ、多くの団体がまたしても大混乱に陥るだろう。大変気の毒だ。

 申請の時期もどんどん遅くなってきている。1年間で2割申請しなくては間に合わない計算だが、現時点で1%強。調査によると、当初平成22年の申請がピークとされていたが、もう平成23年にずれ込んでいる。

 私の予想ではこれも平成24年にずれ込むと見た。もっといえば、平成25年の期限が来ても移行できない団体も出てきそうなので、法律を改正して期限を延長するかもしれない。

 でもそうすると、一生懸命勉強して合格した生徒を無視して、赤点取った落第生のために試験をいつまでも延期するようなものだ。そうなるとまたしても現場は大混乱!

 激動の公益法人制度改革がいよいよ1年を終えようとしている。あと4年だ。



特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成21年11月)

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