福島達也理事長コラム
第98号 勝手なマスコミと世論
 自民党政権末期の頃、毎日のようにものすごく激しいペンの攻撃が新聞紙上を埋め尽くしていた。これ以上この政権を続けることは日本を沈没させる・・・と。夕刊紙や週刊誌などは、民主党政権こそ日本を救う唯一の道だとも書いてあったのは記憶に新しい。

 そして、時代はそれから1年以上たち、まったく同じような記事で新聞はにぎわっている。やはり、与党を攻撃して野党を暗に応援している。しかし、その時と違うのは、以前応援していた党が今攻撃されていることだ。

  性懲りもなく夕刊紙や週刊誌などは、与党攻撃に余念はなく、政治も経済も日本沈没は間違いないらしい。民主党政権がこれ以上続くと日本は取り返しも付かない状態になるそうだ。

 そんなことは百も承知だ。民主党政権ができる前からこのコラムで書いている私にとっては、何ともマスコミの勝手な振る舞いが腹立たしい。舌の根も乾かぬうちにとはまさにこのことだ。

 どうしてマスコミとはこれだけ変身するのだろうか。さらにいうと、どうして先が読めないのだろうか。ただし、少なくとも優秀な専門家は最初からこの政権のことを批判していたのだから、やはりマスコミは明らかな確信犯だと思う。

 まあ、これはマスコミの常識だから暴露してもよいが新聞や週刊誌は特に、時の政権を批判すると販売部数が伸びるらしい。褒めると売れないので、仕方なく批判だけを載せるようにしているそうだ。

 そう聞くと納得だが、それは実は大変な犯罪行為なのだ。だって、マスコミが世論を作り、世論が選挙で同じような行動をとり、時の政権を決めてしまうからだ。つまり、日本の場合、マスコミの誘導でいくらでも国を変えてしまうことができるということは、まさに犯罪といってもよいだろう。

  第二次世界大戦のころの報道規制で悲劇が拡大したことは有名だが、世論はそれだけ脆弱だ。マスコミによっていくらでも世論は作り上げられてしまう。ある意味最大で最強の宗教といってもよいだろう。

  しかし、国民は騙されてはいけない。自分の目で見て自分で判断できるような力をつけるべきである。そのためには、真っ先にマスコミを信用することから脱却すべきだと思う。



特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成22年11月)

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