第165号 同じ行動すれば成功できない??

 昨日は久しぶりに東京も大雪だった。
 といっても、最大で積雪20センチということなので、北海道や東北に比べたら大したことはないかもしれないが、それでも東京で20センチというのは大騒動なのだ。
 まず交通が乱れる。人が滑って転ぶ。車はあっちでもこっちでも事故だ。
 会社なんて、雪と聞いただけでビビってしまい、すぐに早退命令の嵐。
 ということで、昨日の夕方は、朝晩のラッシュアワー以上の人が帰路に殺到して、またまた大混雑。
 東京の雪の風物詩は本当に情けないほど、ドタバタ劇なのだ。

 弊社もさすがに早退命令を出したが、なぜ人は雪の時に帰路を急ぐのか?
 急げば急ぐほど大混雑して、電車が止まったり、駅が入場を制限したり、いいことはないとなぜ気が付かないのだろうか?
 以前コラムで取り上げたB層の人たちも間違いなくそういう行動をとるだろう。

 だが、頭の良い人は、こういう時こそ夜の店に繰り出すだろう。
 一杯飲んで歌って、いい気分になったころに帰路につけば、電車もスカスカで、すぐに帰れるのだ。

 あの東日本大震災の時がいい例だ。
 国民のほとんどは、帰ろうとしてパニックになり、歩いて5時間も6時間もかけて大混雑の国道をただひたすらに歩いたり車に乗ったり、寒さと怖さに耐えながら夜中にやっと帰路に着いたはずだ。
 しかし、あの日、私の友人は帰路をすぐにあきらめ、ホテルもいっぱいだったので飲みに出かけたらしい。あんな日でもやっている店は数件あり、そこで朝まで飲むつもりだったとか・・。
 しかし、夜中近くに新幹線が出るということが分かり、さっと乗車して横浜まで30分程度で帰れたというのだ。
 ちょうど家に着いた頃、夕方必死になって歩いて家路を急いだ人と一緒になったそうだ。

 嘘のような話ではあるが、実はこれが人生の縮図なのだ。

 人生には、みなと同じ行動をした場合、決して幸せにならない(秀でることはできない)という法則があるのだ。
 特に芸術家や文化人、スポーツ選手やクリエーターは決してほかの人と同じ行動をとらない。

 実は私も小さいころから今まで、人と同じことをしないように生きてきた。
 小学生のころ、周りはみな「ジャンプ」という漫画を貪るように読んでいたが、私は一度も読んだことがなかった。
 同じく、小さいころから「紅白歌合戦」は見たことがないし、初詣にも行かなかった。
 さらに、行列には絶対に並ばなかったが、それは「疲れる」とか「面倒くさい」のではなく、みなが興味を示すと自分の興味がなくなる性格だからだ。

 私だけではない。
 ほとんどのクリエイターや成功している経営者は、子供のころからどこか「変わり者」だ。
 もちろん、私は決して成功しているとは言えないが・・・

 伝記を読んでも、テレビの偉人伝や回顧録を見ても、大概はそういう人だろう。

 なぜなのだろうか?? そう、そうしないと、アイデアは生まれないからなのだ!
 みなと同じことをしていると、みなと同じ発想となり、抜きんでたアイデアや発想は生まれないのだ。

 世界各国でも、同じような現象が見られるようだが、特に、日本では、「右にならえ」と言わんばかりに、みなと同じ行動をする人が圧倒的に多い。

 このような、みんなと同じ行動をすることを、社会心理学では、「同調行動」というらしい。
 同調行動には「自分の意志とは関係なく多数派の行動を真似する傾向」がある。
 5人で居酒屋に行き、1杯目はハイボールにしようと決めたとする。しかし、他の4人がビールを頼むと、ハイボールと決めた人も「やっぱり私もビール」となることが多い。これが多数派の行動を真似する同調行動だ。

 また、「自分の意志とは関係なく親密な人の行動を真似する傾向」もある。
 憧れの先輩がよく使う言葉を無意識的に使ったり、好きな芸能人が着ている洋服の傾向を好きになったりする経験をお持ちの方もいるだろうが、それが「親密な人の行動を真似する同調行動」だ。

 日本人が同調行動をするのは、「農耕民族だったから」「島国だから」「戦後の教育体制」など根拠となる背景には諸説あるが、長いものにまかれるのは古くからの日本人の特徴のひとつかもしれない。

 しかし、それでは、自分らしさを殺しているだけではなく、成功の鍵をみすみす逃していることと同じなのだ。

 なので、成功するには、それを克服しなければならないのだが、方法は下記の3つだ。
 1.そういう環境に近づかない  2.情報を遮断する  3.ストレスを溜め込まない

 以前のコラムで紹介した、日本をダメにした「B層」にならないための方法でもある。
 まず、はじめから同調圧力を感じる環境に近づかなければ、プレッシャーを感じることはない。そういう環境から思い切って関係を断つか、距離を置くようにすればよい。

 そして、テレビの電源を抜き、新聞をやめることも重要だ。無条件に入ってくる情報というのは、「周囲の人がやっている」というプレッシャーになるからだ。

 さらに、環境を変えることが難しい人は、ストレスを溜めない方法を見つけよう。
 信頼の置ける友人に話を聞いてもらうなど、ストレスを感じる現状を一人でためこまないことが大切だ。

 さて、実は私のコラムは以前から、読者が同調行動をとらないように少しずつ成功の道に誘導していることに気が付いただろうか?

 だって、たいていの日本人はこのコラムを読んでいないという行動に同調することなく、あなたは読み続けているじゃないですか!

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2018年1月)
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