第247号 また選挙・・ところで政治家って必要??

 都議会議員選挙が終わった。
 自民党惨敗・・・都民ファースト政権奪取・・・参政党が3議席・・・再生の道42人全員落選・・・確かに話題豊富な選挙だったのかもしれないが、誰がやっても知事を変えない限り、東京都は良くならないし、参議院選挙の前哨戦らしいが、そもそも参議院なんて必要あるの?
 正直な話、政治にうんざりしている。
 テレビをつければ、国会中継で居眠りする議員、不倫報道で支持率が急落する政党、質問に対して「お答えは差し控えます」「将来の日本のために」の一点張りで、気がつけば不祥事・疑惑・記憶喪失。
 「この国、誰が運転してるの?」と思ったら、ハンドル握ってるのは居眠り運転の無免許おじさんだった、みたいな虚無感。
 選挙のたびに期待して、毎回裏切られて、なのにまた投票に行く──これ、国民側がだいぶ健気だと思う。
 というよりも、政治家もバカだが、選挙民も負けないくらいバカだ!!
 しかも最近は、どの党も公約がコピペみたいだ。「子育て支援」「経済再生」「平和外交」──はいはい、わかりました~
 で、いつやるの?「これから検討します」って、もう30年くらい検討してないか?
 というわけで、いろいろと考えたが、実は最近私は、ついに最高の政治家を見つけたのだ!!
 もうこの人なら、日本を最高の国に変えてくれるだけでなく、私的感情や利害関係を持たないから、汚職や利益誘導、派閥抗争といった余計なことに書き込まれる心配はない。
 しかも頭がいい。日本一の頭脳の持ち主だから、国民の声や経済指標、医療・教育の統計などを即座に理解し、全体最適な政策判断を下すことができる人なのだ!!
 まだまだある!!
 この人は休息を必要とせず、突発的な危機にも瞬時に対応可能だから、地震やパンデミックなどでおろおろすることもない。
 そして政治家にとって一番大事な政策の一貫性と説明責任はだれにも負けないのだ。
 どう? 気になるでしょ? 早く紹介してくれって???
 そう、それはAIだ!!
 もう政治家は要らない。AIに政治を任せようじゃないか!!
 ふざけるな? バカにするのもいい加減にしろ?
 ふざけるのはどっちだ!!私は真剣だ!!!
 今までどれだけ政治家に裏切られてきたのか、思い出して欲しい。
 恐らく1勝19敗くらい、あなたは負けているはずだ(笑)
 でも、AIなら、政治家のような「残念ポイント」が絶対にないのだ。
 まず、嘘をつかないし、金銭授受も忖度もしない。
 あと、AIはゴルフに行かないし、統一◯会にも入らないし、パーティー券も売らないし、とにかく清廉潔白でまるで理想の議員そのものだろう。
 さらに、AIは記憶を失わない。
 人間の政治家は都合が悪くなるとすぐ「記憶にございません」と言い出すが、AIはクラウドに記憶があるし、しかも全文検索できるのだ!
 国会答弁だって、ほとんどの政治家のように、官僚が書いた原稿を棒読みするのではなく、自分で生成でき、GPT政治家なら、一問一答にも耐えられるし、むしろ揚げ足を取ろうとする野党議員の質問を、論理とデータで返り討ちにできるだろう。
 AI vs AI のガチンコ国会、究極のバトル、ちょっと見てみたくない???
 とはいえ、「AIは心がない」とか「共感できない」とか言う声もある。
 確かに、被災地に行って涙を流すことはできないし、赤ちゃんを抱いてほほえむこともないだろう。
 でも逆に、その涙や笑顔に何の意味があるのか?*と問いたい。
 泣きながら増税されるより、冷静に減税してくれる方がよっぽどマシだ!!
 そもそも今の政治家に"心がある"ように見える?
 だとしたらあなたはよっぽどの老眼だな(笑)
 被災地には行くけど、ヘリだけ降りて記念撮影して帰るのが政治家。
 現場の声を「聞いたフリ」して、あとはスルーしてごまかすのが政治家。
 むしろ、感情に流されて感傷的な政策を打つ方がよほど危険だが、AIなら、感情に流されず、経済指標・人口統計・災害リスクなど膨大なデータを即時に処理し、合理的に判断できるのだ。
 たとえば「高齢化対策」といえば人間の政治家は「お年寄りに優しく」の精神論で終わるが、AIは「2040年までに必要な介護人材数と教育コスト、それに必要な税源」を具体的にシミュレーションできるし、選挙のことなんて考えなくていいから、一番良い政策を打ってくれるだろう。
 もちろん、AI政治にもリスクはある。
 たとえば、開発者の思想がプログラムに入り込めば偏った政治になるし、バイアスがかかった学習データを使えば、少数派の権利が軽視されるかもしれない。
 でもそれって今の政治家にも当てはまるじゃん。
 「ある団体から票をもらっているから、この法案には賛成できない」とか、「スポンサーに怒られるからこの問題には触れません」とか、政治家なんてほどんどそんな奴らの集まりだから、つまり、人間も十分にバグってるわけだ!
 AIのバグはアップデートで直せるが、人間のバグは、たいていの場合「居座り」か「言い訳」で終わる(笑)
 とはいえ、私も適当なことを言っているのではない。
 いつかきっと政党を作って実現したいと思っているので、最初から「全部AIに」とは言わない。
 徐々にでいい。
 たとえばまずは政策立案の補助から始めよう。
 国民の声を分析してニーズを把握し、過去の政策効果との照らし合わせもできる。それだけでも、今よりよっぽどまともな政策が生まれるはず。
 さらに予算配分の最適化、法律の条文矛盾チェック、SNSでの炎上予測シミュレーション、外交文書の自動生成など、AIの得意分野を活かせば、政治家はもうちょっとまともに見えるようになるかもしれない。
 そうして、あわよくば、本物の政治家が仕事しなくても国が回る状態にしておけば、うっかり発言で大臣が罷免されようが、突然死しても大丈夫だ。
 さあ、ここまで読んで、何となくその方がよさそうな気がしてきていないだろうか??
 「誰がやっても同じ」なんて嘆いてばかりいないで、真剣に政治をAIにやらせてみようではないか。
 でもそれを決めるのはあなたではなく、政治家たちが法律を代えなくては前に進まない・・・
 ということは、まずはAI政党を作って、賛同する人を政治家にして、その数を増やして、政権を奪取して、そして国会で法律を変えて──道のりは決して簡単ではないなあ・・・
 でもこの国をよくするのはそれしかないと思う人は結構いるのではないだろうか?
 ぜひ、AI党に清き一票を!!!

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2025年6月)

第246号 おひとりさまが日本を制する??

 国が公表した調査によると、2023年6月1日現在の全国の世帯総数は約5000万世帯で、世帯構造をみると1人の「単独世帯」が約1850万世帯(35%)、次いで「夫婦と未婚の子のみの世帯」と夫婦のみ世帯がともに約1350万世帯(25%)で、平均世帯人員は2.23人だった。
 つまり、3人に1人以上が「おひとりさま」なのだが、一番怖いのは、単独世帯は2001年には約1100万世帯だったが、この20年余りで約1.7倍に増加し、2019年に「夫婦と子ども世帯」を数で上回り、さらに単独世帯のうち約47%に当たる約850万世帯は、65歳以上の高齢者で、この数は01年(約318万世帯)の2.7倍となっていることだろう。
 ということは、ここ20年で、高齢のおひとりさまが急増しているのだ。
 「おひとりさま」が増加している背景には、社会的・経済的・文化的な要因が複雑に絡み合っており、今後さらにおひとりさまが増殖して、最終的には、日本をおひとりさまが占領してしまうのではないだろうか。
 特に深刻な現象として挙げられるのが、若者の晩婚化・非婚化の進行だろう。
 先のコラムで、恋愛結婚が消滅し、世の中ほとんどアプリ結婚になるだろうと予想したが、結婚する人は確かにそうだが、結婚しない人が増えているのだから、アプリ自体が意味を持たなくなってくるかもしれない。
 若者に聞くと、結婚して子供を育てて家族で仲良く暮らすことが、何だか罰ゲームのように感じるようで、「自由な生き方」や「自己実現」への関心が高まり、結婚よりもキャリアや趣味を優先する価値観がカッコいい生き方になってしまっているのだ。
 生涯未婚率は2020年の時点で男性が約3割、女性が約2割だったが、ここ数年は上がる一方で、これは恐らくすぐに5割くらいまで増加すると私は予想している。
 もっと増加するのが、離婚率だ。
 今はまだ3割くらいだが、どんどん離婚することが当たり前となり、離婚自体が社会的にタブー視されなくなるので、こちらもすぐに5割を超えるだろう。
 結婚する人が5割になり、そのうち5割が離婚する時代が来るのだとすると、離婚しないで結婚し続ける人がたった4分の1しかいなくなり、そのうち半分が子どもを持たないとすると、子どもを持つ人は8人に1人ということになる・・・
 えええ、それじゃあ、日本は絶滅するじゃん!!!
 その通り、厚労省があまり表に出したくない秘密の人口統計(2017年)では、西暦3000年の日本の人口はなんと2000人!!!
 日本国民はNHKホールに入るくらいしかいなくなるのだ・・・悲しい・・・
 まあ、その時は読者の皆さんも、その孫の孫だって、みんな死んでいるので関係ないだろうからそれは忘れて、どうしてみんなおひとりさまになっちゃうのかを考えよう。
 昭和と違い令和は、経済的自立が可能な女性が増え、結婚に依存しない生き方を選ぶ人が増加し、「一人でも楽しい」「一人の方が気楽」「群れない生き方」といった価値観がSNSなどでますます広まり、おひとりさまが肯定的に捉えられるようになってきているのだ。
 一人旅、一人焼肉、一人カラオケなど「ソロ消費」向けのサービスも拡充し、一人でも困ることがない世の中になっているのも原因の一つだろう。
 だが待てよ。本当におひとりさまは困ることがないのだろうか???
 1979年に当時の「あーうー」でおなじみ大平正芳首相が、「家庭は、社会の最も大切な中核であり、充実した家庭は日本型福祉社会の基礎であります」と国会で演説しているが、この頃は、高齢者の半数以上は子や孫に囲まれて生活していたから、「育児や看護、介護は、三世代の家族で担うのが基本」という考え方に疑問を呈する国民は少なかっただろう。
 さらに、65歳以上の人がいる世帯のうち、おひとりさま高齢者は1975年には8.6%にすぎなかったのだから、そんな社会では、「ひとり暮らしをしている高齢者は可哀想な存在」だったのだ。
 そんな「可哀想な存在」から最近は、すっかり「勝ち組」になってしまったような感じだが、でもそれは違うのだ。
 三世代同居が当たり前だった時代には、高齢者介護は家族の役割だと多くの人が考えていたし、実際になんとかなっていたのだが、おひとりさまがこのまま増殖していくと、介護をする人もいないし、もっと言えば、生きるのも死ぬのも一人なのだ。
 これも国の統計だが、1970年に亡くなった人のうち、自宅で亡くなった人は約57%と過半数を占めていたが、1980年には38%と大きく減少し、代わって病院で亡くなった人が521%と半数を超えたのだ。
 わずか10年間で、死に場所が自宅から病院へと変わったのは、ちょうど三世代同居が半数を切った時と合致していることから、三世代同居の減少で、「介護や看取りが家族の役割ではなくなった」ことが大きく影響しているのだ。
 悲しいかな、病院で死ぬのは嫌だと家で暮らし続ければ最期は孤独死だ。
 すぐに発見される可能性も少なく、きっと溶けて無くなるころに、隣人や階下からの苦情で発見されるだろう。
 そうとはいっても、それでも「おひとりさま」であることには自由や気楽さといったメリットがあるのも事実。
 であれば、おひとりさまの暮らしで困ることを克服することに尽力してほしい。
 まずは、家事や生活管理の負担だ。
 炊事・洗濯・掃除・買い物など、病気や高齢になるとすべてを一人でこなせなくなるので、それをちゃんと誰かに頼んでおこう。
 また、急病やケガのとき、誰にも頼れず孤立する可能性があるし、救急搬送時や入院時に「連絡先」や「保証人」が必要とされる場面もあるだろうから、もしもの時のために、必ず何でも頼める友人や知人を作っておこう。いないならそれも業者に依頼だ。
 と言っても、世帯収入が一人分であるため、生活費や突発的な支出(病気・事故・修繕費等)が重くのしかかるのは間違いないから、やはり先立つものが一番大事だろう。
 「お金は墓場に持って行けない」とよく言われるが、私に言わせれば「持っていなければ墓場までも行けない」だ!!
 とにかく、みんないずれは1人になり、そのための一番の備えは間違いなくお金なのだから、とにかく若いうちは遊ぶよりも働くことに没頭しなくてはいけない。
 普通の会社は週休完全2日で祝日や夏冬の休みや有給休暇を入れれば、働くのはたったの200日。1日8時間労働として、年間労働時間は1600時間。でも、実際365日は8760時間あるのだから、1年の5分の1も仕事をしていない計算だ。
 あと睡眠時間が5分の1あるとすれば、人は残りの5分の3が余っている計算になる。
 つまり半分以上の時間が人には無条件に与えられているのだから、その時間をテレビやゲームやSNSに浪費することなく、さらに働いたり、もっと勉強したり、多くの人と関わったりすれば、おひとりさまになっても、お金も知識も友人知人もコミュニティにも困ることは無いのだ。
 そう思ったら、とにかく今からおひとりさま対策を始めよう!!
 うーん、今日は我ながらとても良いことを書いているなあ・・・まるで教祖様になった感じだ!
 さあ、福島教に入信するか、自分で動くか!
 将来のおひとりさま生活に向けて、今すぐに立ち上がろう(笑)

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2025年5月)

第245号 ところで本籍地、移転した??

 4月といえば新生活のシーズン!
 入学や卒業だけでなく、引っ越した人や転勤した人も多いのではないだろうか?
 そういう人は、いろんな届け出で役所にお世話になることがある季節だから、役所の窓口もてんてこ舞いだろう。
 そんな中、首都・東京のど真ん中にある千代田区で、頭を抱える事態が起きているのだ。
 そう、それが「本籍を皇居に」だ!!
 千代田区役所が"パンク"しているらしい(笑)
 たいてい本籍地というのは、結婚などで新しい戸籍を作る時、どこかに決めなくてはいけないので、新居にするケースがほとんどだったのだ。
 しかし、今どき結婚後や引っ越し後の新居に永住する人はほとんど皆無なので、そこを本籍地にしても、結局また変更しなくてはいけなくて面倒なのだ。
 だから言って、他人の住所を本籍地にするわけも行かないし・・・
 いや、それができるのだ!!
 法律では、本籍地に指定する場所に特に決まりはなく、実在する地番であれば日本中どこを指定してもいいのだ!
 そんなバカな??と思うだろうが、実は知っている人も結構いて、私の知り合いには、本籍地を会社の住所にしている人がいるのだ。
 どうしてそこにしたか尋ねると「一番便利かなと思って、忘れないように。人気の本籍地に皇居があると聞いたが、個性を出そうと思い(皇居とは)違う場所にした」とのこと・・・
 え、え、え、皇居???
 そう、あの皇居だ!!!
 実は、本籍地として一番人気なのは何と皇居なのだそうだ。
 確かに自分の会社も引越する可能性があるし、実家もいつかなくなるかもしれないし、そりゃ、絶対に変更ない住所といえば確かに皇居だ(笑)
 でもそれって、いいの~??? バチ当たらないかな~???
 ところがこの影響で、千代田区役所では困った事態が起きているそうだ。
 まず、「皇居に本籍を置きたい。千代田区1番地であっているか?」という問い合わせが毎日くるそうだ。
 確かに皇居の住所って、どこだろうと思って調べるとしたら役所しかない。
 まさか、皇居に電話して、聞いたらきっと怒られるだろう(笑)
 だから、皇居の住所は千代田区千代田1番1号であっているのか、確認しようとひっきりなしに電話がかかってくるのだそうだ。迷惑な奴らだ!
 そこで調べてみると、皇居を本籍とする人は約3000人いるらしい。
 もちろん、全国で一番多いそうだ。
 千代田区では他にも「東京駅」や「丸ビル」などを本籍とする人も多いらしく、区の住民約6万8000人に対して本籍人口はその3倍以上の約21万3000人もいるのだから、迷惑な奴らが15万人もいるのだろう。
 そんな迷惑な奴らのお陰で、役所の事務処理が追いつかず、ひっ迫しているらしい。
 本籍地と住民票の住所の違いは納税地かどうかだから、このまま本籍だけ千代田区という人が増え続ければ、税金は1円も入ってこないのに、戸籍を管理する負担だけが増加してしまい、役所の他の業務が回らなくなる恐れもあるらしいのだ。
 全くひどい話だ!
 でもなんでこんなことになったのだろうか??
 実は、以前は自分の戸籍がある役所でしか取れなかったので、戸籍を取るのはかなり手間だったのだが、今、全国どこの役所の窓口でも取り寄せられるようになったので、本籍地を自分の居住地と全然別の場所にしやすくなったのが最大の原因なのだ。
 もちろん、皇居だけの話ではない。
 人気の本籍地は全国各地にもあり、北海道では「札幌時計台」、関東では「東京ディズニーランド」、関西では「大阪城」や「甲子園球場」などを人気らしい。
 まあ、日本人のやることだからそうだろうなあ・・・
 でもよく考えると、本籍地って必要なのだろうか??
 今後のオンライン化で本籍地の役割は特にいらなくなってくるのではないか?
 さらに、クラウドで政府が戸籍を管理できれば、それが一番良いのではないだろうか?
 居眠りや不正ばかりしている国会議員たちも、自分の票に結びつかないような、こういうことには無関心なので、なかなか改善されそうもないが、このあたりも力を入れて欲しい。
 こういう国民生活に便利になることこそ国会議員がしっかりと仕事してほしいものだ!
 もちろん、その一方で、古くからの戸籍が残っていることで約150年前からの「ルーツ」をたどることができるし、自分たちの故郷を失うような気持にもなるし、文化的な面を含めて、戸籍の管理をどうしていくのかという議論は今後も重要だろう。
 しかし、とはいってもAIの時代だから、これも時代の流れとあきらめて、すべてオンラインとクラウドで対応できるようにしてほしい。
 さあて、私の本籍地も実家に置いたままになっているから、そろそろ変更しなくちゃ・・・
 大好きな、大谷くんの実家にしようっと!

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2025年4月)

第244号 あなたはSNSで人間やめますか?

 最近電車の中でも喫茶店でも、ほとんどの人がスマホを見ているのだが、いったい何をしているのだろうか?
 私の場合は常に外出先で空いている時間はニュースを見ているが、それは必ずしも多くないらしい。
 圧倒的に多いのが、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用だ!!
 しかも他人の動画やブログを延々と見ている人が圧倒的に多いらしい。
 私のようにニュースを常にチェックする「浦島太郎になりたくない派」やショッピングに余念のない「何か買いたい症候群」の人ももちろんいるだろうが、そうでなくYouTubeやXなどの動画や写真を見るのはなんでだろうか?
 人が他人のSNSを見たくなる理由はいくつかあるが、人間は本能的に他人の生活や考えに興味を持つもので、SNSでは、普段の生活では見えない他人の一面を垣間見ることができるため、ついチェックしたくなるのだ。
 そして、他人のSNSを見ることで、自分と比べて「自分の生活はどうか?」と無意識に評価してしまうのだろう。
 でもこれが、刺激を受けて頑張ろうと思うのであればよいが、ネガティブな影響(嫉妬や劣等感)につながることの方が多い気がするので注意が必要だ。
 さらに、SNS上では、友人や知人の近況を知ることができ、それを通じて共感したり、親近感を抱いたりできるだけでなく、コメントや「いいね」をすることで、自分の存在意義を高め、関係を維持しようとする心理も働くらしい。それだけ共感やつながりを感じたい若者が多いのだ。
 もちろん、流行や最新の出来事を知るために、他人のSNSをチェックする人もいるだろうが、これは、友人同士での会話のネタにしたり、自分の生活に役立つ情報を得たりする目的だろうから、私のように常にニュースを見ている人と近いだろう。
 そのほか、有名人やインフルエンサーの投稿を見て、自分の理想のライフスタイルや価値観に触れ「こんな生活をしてみたい」と酔いしれたい人も多いらしい。
 だが、SNSは、誇張したり嘘だったりするケースがかなり多いので、正直、騙されていると言っても過言ではないだろう。
 このように、他人のSNSを見たい理由は、単なる好奇心から、社会的なつながりの維持、自己評価や憧れ、情報収集、暇つぶしなどさまざまだが、私は正直、見ない方が良いと思っている。
 だって、とにかく時間の無駄ではないか??
 私のように移動時間だけ見る人は恐らく少数派で、休憩時間や空き時間だけでなく、朝起きてから寝るまで、何かをやっている時間以外はすべてSNSを閲覧したり発信したりしている人もかなりいるはずだ。
 見るだけなら「時間の無駄や浪費」で終わるが、自ら発信している人はバカではないだろうか??
 だって、確かに、SNSは便利なツールだが、同時にさまざまな恐怖や危険も伴うことも忘れてはいけない。
 その最たるものが「個人情報の流出」だ!!
 不用意に本名や住所、学校・職場などを公開すると、ストーカー被害や詐欺の標的になるリスクがあり、先日も無残に殺されたライバーの女の子はまさにそれだ。
 さらに、歌手のaikoさんが、東日本大震災の時「震源地が東京でありますように」と私と同じことを考えたのだが、私は心で思っただけだが、彼女はそれをSNSで発信してしまい、ものすごい批判を受けたのだ。
 批判した方が勝手に間違った解釈をした「おバカ者」なのに、ものすごく正しいaikoさんが炎上してしまうというのは、まさにSNSの恐怖の典型例だろう。
 何気なく投稿した内容が炎上し、大量の批判や誹謗中傷を受けると、一度拡散すると完全に削除するのは困難で、自死に至ってしまうニュースがけっこうあるのだ。
 そして、ウソの情報が拡散され、多くの人が信じ込んでしまうことも多く、特に災害時や事件の際は、誤情報が飛び交いやすいので注意が必要だ。
 暇つぶしで何気なく始めたSNSだろうが、それがやがてSNS依存となるのも怖い。
 「いいね」やフォロワーの数に一喜一憂し、リアルな生活に支障をきたし、常にSNSをチェックしなければ落ち着かない「SNS中毒」になるのだ。
 「薬物中毒」も怖いがそれは一部の人だけで、そう考えると「SNS中毒」の方がもっと怖い。
 その中毒は、やがて「精神的ストレス」になるのだ。
 SNSでは他人の「キラキラした生活」ばかり目に入り、自分と比べてしまいがちだから、自己肯定感が下がり、メンタルヘルスに悪影響を与えることもあり、病気になるケースもあるから怖い。
 そして一番怖いのは「詐欺や犯罪の温床」になることだろう。
 これが若者から高齢者まで、すべての人に訪れる一番怖いSNSの恐怖だ!!
 SNSを悪用した投資詐欺、なりすまし詐欺、闇バイトの勧誘などが横行しており、安易に怪しいアカウントと関わると、トラブルに巻き込まれたり、犯罪に加わってしまったり、騙されてお金を巻き上げられたりするケースが後を絶たない。
 SNSは正しく使えば便利だが、無防備に利用すると思わぬリスクに巻き込まれることもあるから、私のように、「ほとんどやらない」という選択をすることは、現代においては最高の決断ではないだろうか(笑)
 ぜひ皆さんにおススメしたい!
 そうすれば、時間の浪費を防げるし、精神的な安定も保ちやすいし、人間関係のストレスも減るし、真偽不明な情報や偏った情報に影響をされることもないし、何よりSNSを使わないことで、自分で信頼できる情報源を選ぶ習慣が身につくのだ!
 さあ、皆さんどうだろう・・・今日はとてもいいことを話している気がするなあ・・・
 よし、こんないい話、ここだけの話ではもったいないから、SNSで呟いてみるか!!!

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2025年3月)

第243号 社内恋愛は懲戒処分???

 いま、普通の出会いによる恋愛結婚が急減しているらしい。
 というと、そうか!「お見合い結婚ね!!」なんて思った人は、シーラカンスだ(笑)
 お見合い結婚なんてもう死語だから、恐らく最近のZ世代に言っても、きっとわからないだろう。
 だって、お見合い結婚どころか、普通の恋愛結婚も急減しているのだから・・・
 では、お見合いでも恋愛でもない結婚ってなんだろう? 政略結婚でもないだろうし・・・
 答えは「アプリ婚」だ!!
 近年、友達を作るのも恋人を作るのもマッチングアプリが当たり前になっているそうで、最終的に、アプリで出会って結婚するカップルが急増しているのだ。
 昔は職場や学校、友人の紹介が主流だったが、アプリを使えば普段の生活で出会えない人と知り合えるし、スマホ片手に、簡単に相手が探せるので便利なのだ。
 アプリの出会いは、コロナ禍で合コンや飲み会の機会が減少し、オンラインでの出会いが一般化してから急増し、さらに恋愛目的のアプリだけでなく、結婚相手探しに特化したアプリが増えているのもそれに拍車をかけているのだろう。
 自分のプロフィールに価値観や結婚願望を明記できるため、会ってみてガッカリとか、全然違うということもなく、効率的にマッチングできるのだ。
 私などおじさん世代には、「アプリ=軽い出会い=怪しい出会い」と思ってしまうが、若者に聞くと、婚活市場では「真剣な交際の最適な手段」として認識されているようで、何の後ろめたさもなく、堂々とアプリを利用しているのだ。
 今から15年前くらいだったか、うちに職員が、サイトで出会った人と結婚したのだが、その時は私には告白したが、親にも親戚にも友達にも内緒にして、「友達の紹介で出会った」を貫いていたのが懐かしい。
 あの頃は「出会い系サイト」が始まった時期で、スマホもなくひたすらパソコンで「良からぬことをする相手=恋人」を探す時代だった。
 だから、恥ずかしくてサイトで探したとはとても言えなかったのだ。
 ここだけの話、良からぬ出会いの場合、必ず使う言葉が「友達の紹介で出会う」だから、今でもそれを聞いたらもう恥ずかしくて、まともに相手の顔を見ることができない(笑)
 確かに、恋愛っていうのはとっても難しいものだ。
 いい人と思っても、付き合っているうちに「違うかな」「そこが嫌」となってしまうことの方が多く、なかなか結婚までたどり着くのは至難の業だ。
 その点、アプリなら相手の年齢・職業・趣味・価値観を事前に確認できるため、ミスマッチを減らせるし、忙しくてもスマホ一つで婚活ができるため、仕事が忙しい人にもピッタリだ。
 実際、近年ではアプリ婚が急増して、2017年時点では約3%しかいなかったのに、ここ数年で大幅に増加し、今や婚姻届けを出したカップルのうち、「マッチングアプリで出会った」と回答した割合は3組に1組(ゼクシィ調査・2023年)だそうだ!
 たった数年で、3%から33%って、もうこれは単なる増加ではなく、恐らくこのままだと、アプリ婚以外は存在しなくなるだろう。
 海外はさすがに違うと思って調べてみると、アメリカではカップルの約40%がアプリで出会っている(2021年・スタンフォード大学調査)、世界の方がもっと進んでいた!
 つまり、これは世界の潮流だったのだ!!
 では何で、一般的な恋愛結婚が減ってしまったのだろうか?
 恋愛結婚が減っている理由は、実はとても簡単で、普通に出会う人は結婚を考えていない確率が圧倒的に高いからなのだ。
 結婚を考えていない人に100人出会うよりも、結婚相手を探している人と10人出会った方が、そりゃ簡単だ(笑)
 ではなぜ、若者の多くが結婚を考えなくなってしまったのか?
 その一番の理由が経済的な要因らしい。非正規雇用の増加や賃金の伸び悩みにより、結婚に対する経済的なハードルが上がっているのだ。
 さらに、結婚・出産のコスト:結婚式や新生活、子育てにかかる費用の負担が大きく、慎重になる人が急増してそうだ。
 それに追い打ちをかけているのが、価値観やライフスタイルの変化だろう。
 個人の自由やキャリアを重視し、結婚よりも仕事や趣味、自分の時間を大切にする人がこちらも急増している。
 SNSやゲームがあれば、結婚しなくても充実した生活が可能となれば、もう、結婚する方が異常な状態なのかもしれない(笑)
 そうそう、そういえば「社内恋愛」なんて言葉もまったく聞かなくなったなあ・・・
 コロナ禍以降、リモートワーク勤務が増加し、オンライン会議が主流になり、雑談やオフィスでの交流が減ったという話もあるが、私はそれよりもハラスメントリスクの増加の方が心配だ。
 「職場恋愛=リスク」という意識が強まり、若者が積極的に職場でアプローチしづらくなったのではないだろうか?
 セクハラ・パワハラの厳格化により、部下や同僚へのアプローチが慎重になりがちになったり、企業によっては、なんと社内恋愛を「報告義務」にしているケースもあるそうだ!
 かつての「飲み会文化」が衰退し、職場の人との親密度が低下し、上司・同僚の目が気になり、社内での恋愛を避けるのが当たり前になってしまったのだ。
 私の若いころは、若い女性に「彼氏いる?」と聞かないのは逆に失礼だったのだが、いま男性社員が同僚の女性にそれを聞いたら「セクハラで懲戒処分」なのだろう(涙)
 そう考えると、今後もアプリの普及により、恋愛結婚の形が変化し、「出会い=アプリ」が当たり前の時代になるだろうから、アプリ婚が80%になってもおかしくないだろう。
 恋愛や出会いにワクワクした世代のおじさんにとっては、何ともむなしい感じがするが、それこそ私は古い人間なのだろうか?
 酒でも飲まずにはいられない・・・さあてと、今日は誰と飲もうかな~?
 アプリで探そうっと!!

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2025年2月)

第242号 迫りくる認知症の予防に光???

 明けましておめでとうございます。今年も拙い私のコラムにお付き合いください(__)
 今年も一つ歳を重ねるのだが、超高齢社会を迎え、日本は今まさに認知症との戦いに直面していると言っても過言ではない。
 厚生労働省が2024年5月に発表した推計結果によると、 認知症患者は2060年には全国で645万人に達し、高齢者の約5人に1人が認知症になると予測されているのだ。
 何が問題って、それは2022年時点の443万人だった認知症患者が40年足らずで約200万人も増加してしまうことだ。
 日本の人口は間違いなく減少しているのに、80歳以上の高齢者は2020年の2900万人から、2060年には3900万人に達すると推計されており、高齢者が増えるというよりも、高齢者しかいないと言った方がよいくらいで、この高齢者増がそのまま認知症患者数の増加という形で顕著に現れているのだ。
 もっと怖い数字をあげると、高齢者というのは現時点で65歳以上のことだから、年齢とともに認知症の発症リスクは高くなり、特に80歳以上では約半数が認知症と診断されているのだ。
 半数???
 5人に1人だと他人事とも思えるが、半分が認知症になると言われると、怖くて高齢者になれない(笑)
 あなたも私もみんな認知症だ!
 こんな文明社会なのに、どうすることもできないのだろうか??
 いや、実は、認知症の根本的な治療法は確立されていないが、進行を遅らせる薬や、症状を緩和する薬はすでにあるのだ。
 また、認知症になっても、本人の意思を尊重し、できる限り自立した生活を送れるように支援することが重要で、近年では、認知症専門医療機関の整備や、認知症カフェや介護教室などの地域活動も活発化している。
 しかし、認知症は、本人だけでなく、家族にとっても大きな負担なのは間違いない。
 だからこそ、認知症は、家族だけの問題ではなく、社会全体で取り組むべき課題なのだ。
 何としても望まれるのは認知症の治療法だが、近年では、AIやロボットなどの技術を活用した新たな治療法や介護支援システムも開発されていて、これらの研究開発と技術革新は、認知症患者や家族にとって大きな希望なのは間違いない。
 しかし、私はむしろ治療よりもその予防法の研究開発を切望するが、その予防法に画期的なシステムが日本で開発されたというのだ!!!
 やったー! さすが日本!! そうだと信じていたよ!!! ありがとう日本!!!
 きっとAIとかスーパーコンピューターとかを利用した、高価で高度な最新のシステムなのだろう・・・
 えええええ、太鼓の達人???
 ゲーセンにあるアレ???
 そう、鳥取県日野町では、地元の学校と共同で、町内の施設で太鼓の達人を使った交流イベントを定期的に実施しており、日野高校の福祉科の学生が企画・運営し、地元の小学生と高齢者が一緒に参加するらしいのだが、実にそれが認知症予防に効果的らしいのだ。
 引きこもりがちで周囲とのコミュニケーションや活動量が減少している高齢者が、認知症予防やフレイル(心身が衰えて健康な状態と介護状態の中間にある状態)予防のためにゲームを活用するというのは聞いたことがあるが、日野高校の福祉科の授業の一環として、学生にとってもとっつきやすいゲームを介護や高齢者福祉の場で活用できないか、と導入が始まり、そのあと町ぐるみの活動となっているらしい。
 少子高齢化が進み子どもと接する機会が減っている高齢者にとっても、刺激が得られるイベントとなっているという。
 実はこのような「ゲームを健康増進に利用する」という例が、最近日野町のみならず全国の自治体で急増しているのだ。
 「ゲームばっかりしているとバカになっちゃうわよ!」といつもお母さんから怒られていた我々世代にとって、逆に「ゲームをしないとボケちゃう」という、まさかの逆転劇が訪れるとは!
 「ゲームで健康になる」「ゲームをすればボケない」という、一見これまでの常識とは真逆のことは、本当なのか? そう思っている人もいるだろう。
 それを裏付ける証拠がある。
 太鼓の達人や、レーシングゲーム「グランツーリスモ」などをはじめとしたゲームイベントは、今、全国の高齢者施設や自治体で大ブームになっているそうで、千葉県浦安市、東京都武蔵野市、鳥取県境港市など、昨年は30以上の自治体が高齢者向けのゲームイベントを行っている。
 東京都西東京市は高齢者のフレイル予防のための活動を市の事業として行っていて、専門家にフレイル予防のために重要な運動・栄養・社会参加という要素が、どの程度充足されているかを調べてもらったところ、西東京市の高齢者は社会参加の数値が低いという問題が明らかになったのだ。
 高齢者施設や自宅で1人暮らしをする高齢者をいかに孤立させずなんらかの社会活動に参加してもらうか、ということはこれまで実現が難しいテーマだった。
 レクリエーションなどは回数を重ねるほどにマンネリ化し、特に男性では参加率が低くなるが、 こうした問題を解決できるのがゲームだったのだ。
 イベントはかなり好評で、これまで一度もゲームをやったことがない高齢者が、歓声を上げて夢中になるという。西東京市では同様のイベントをこれまでで累計60回行ったそうだが、ビックリするのは、ゲーム機がある専用の常設拠点、いわば「高齢者向けゲームセンター」も市内に6カ所設けたほどなのだ。
 なんと「高齢者の国体」ともいわれるねんりんピック(全国健康福祉祭)でも24年大会からeスポーツが正式種目となり、太鼓の達人が種目として選定されたのだ。
 さらに、医学的にも証明されており、慶應義塾大学の加藤貴昭教授が、19年に東京都品川区で、高齢者21人を対象に太鼓の達人を10週間プレイした後と前で、TMT検査(トレイルメイキングテスト:処理速度と注意力を測定して高齢者の認知能力を測る検査、反応速度が短いほど良い)脳内の実行機能を測定する検査、眼球運動の測定を行ったところ、ほとんど全ての人で認知機能の向上が見られたのだ!!!
 加藤教授によると「太鼓の達人は、横からターゲットが動いてくるが、プレイに慣れてきた上手な人ほど、常に先を見ることができるようになる。日常の歩行時に自信がなかったり足を動かしにかったりなどの不安を抱えている高齢者は常に足下を見ているため歩行が遅れる、ということがある。ゲームで反応速度が向上すると、日常生活の動作などにも良い影響が出ることが期待される」らしい。
 恐るべし太鼓の達人!!!
 他にも、太鼓の達人だけではなく、「Fortnite」が良いようだ。
 孫と遊ぶためにFortniteを一定期間プレイしている65歳の人と、プレイしていない人に頭の中で暗算をしながら街中を歩いてもらい、視線がどこに向いているかを計測したところ、Fortniteをプレイしていた人が、暗算をしながら街中を歩くというマルチタスクをこなしながらも、周囲に満遍なく視線を配っているのに対して、プレイしていない人は暗算をすることに気を取られて視線が一カ所に固まってしまい、差異は一目瞭然らしい。
 高齢者の認知症予防のために「脳トレ」などのドリルやアプリが使われる例はいままでもあったが、これらはあまり面白みがなく、続かないという問題があったが、娯楽そのものであるゲームであればその心配はない。
 もちろん、とはいっても、依存症や長時間過度に遊ぶことでの健康や社会生活への悪影響があるという問題は依然指摘されているが、一方で、これまであまりゲームへの接点がなかった世代が、適切な手段でゲームを活用することで、これまで困難だった課題を解決することができているのも事実なのだ。
 現在の後期高齢者世代は、まさに子どもがファミコンで遊び過ぎるのを親として叱ってきた世代でもある。
 その世代にとっての最大の助っ人がゲームとは・・・恐ろしい逆転劇だ!
 さあて、コラムも書き終わったし、一杯やろう・・・いやいやゲームしなきゃ(笑)

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2025年1月)
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