◆未就園児ママ、つながれ NPOなどカフェ計画 石巻◆

小さな子どもを持つ母親が集まりやすいカフェのイメージを紙に書き出す荒木さん(右)ら
宮城県石巻市などの子育て支援グループが、子どもを連れた母親が気軽に集まれるコミュニティーカフェの開設を目指している。子育て支援イベントを開いて母親のニーズを吸収し、具体化に向けて話し合う。メンバーは「孤立しがちな未就園児の母親たちが地域住民とつながれる場所をつくりたい」と意気込んでいる。
 カフェ設置を計画するのは未就園児の親子を支援するNPO法人「ベビースマイル石巻」など石巻、東松島両市と女川町の12団体。仙台市などの子育て支援団体もアドバイザーとして加わる。
 「絆」を意味する英語「bond(ボンド)」と「生まれる」という意味の「born(ボーン)」の読みを重ね、「ボンボンカフェプロジェクト」と銘打った。
 子ども向けの縁日や商店街の探検、母親向けマッサージ教室などの催しを毎月開き、母親たちのニーズを調査。メンバーが集まり、カフェのイメージを話し合ってきた。
 今月上旬の会合には約10人が集まり、カフェに必要と思う役割を紙に書き出した。「石巻を好きになれる」「地元のお店に食べ物や飲み物を販売してもらう」「あまり費用が掛からない」といった意見が出た。来春のオープンを目指し、具体的な場所探しに入る。
 中心的に活動するベビースマイル石巻代表理事の荒木裕美さん(33)は東日本大震災発生時、2人目の子を妊娠していた。「他の妊婦さんも情報や支援がなくて困っているはず」と昨年5月に法人を設立。6月の出産後に他の子育て支援団体などに呼び掛け、11月にプロジェクトを始めた。
 荒木さんは「震災後、公園などに仮設住宅が建ち、子どもが遊んだり母親が交流したりする場がなくなった。お母さんたちが集まって悩みを共有しながら、地域の人に支えられていると実感できる空間をつくりたい」と話している。

 
河北新報社 2012年11月26日‎
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