治療や介護の場をアートで彩ることで、患者らの心を癒やし、回復を促す「ホスピタル・アート」という概念が広まりつつある。普及に取り組むNPO法人「アーツプロジェクト」（大阪府）は、設立から10年間で約10カ所の病院にアートを導入。「清潔だけど、殺風景」になりがちな空間に、ぬくもりと潤いを与え続けている。それぞれの場に適した絵画や造形、写真を専門のアーティストに依頼。芸大生ら「アーティストの卵」たちもボランティアで携わった。色鮮やかな壁画やモビールに囲まれた空間は、従来の病院観を一変するものだ。